半生の決算。記憶の棚卸し。

40前に一度半生を振り返ったら、ダメダメだったおばさん。

クラウドソーシングを始めて、私という人間が変わった。

検索エンジンの検索窓に一つ二つ文字を入力すると、過去に検索したワードが検索窓の下にズラズラズラッと出てくる。

 

入力「ふ」

過去検索からの検索候補

フリーメーソン 暗号」

「フリーソーメン 冬の活動」

 

入力「すき」

過去検索からの検索候補

スキレット ヒーロー」

 

入力「てん」

過去検索からの検索候補

「点滴 空気入ったら」

「天界 階層」

 

入力「じ」

過去検索からの検索候補

「地獄 構造 」

 

入力「せん」

過去検索からの検索候補

「先公 公 違い 家康公」

 

入力「かそ」

過去検索からの検索候補

「火葬 鳥葬 メリット デメリット」

 

 

この検索候補を見ても、自分がアメリカのクリスチャンロックバンドから医療、死語の世界まで幅広い分野に興味のある人間だということがわかる。

 

 

ところで過日、短期間だがワーカーとしてクラウドソーシングに関わったことがあった。理由は「休みの日に一日こたつに入ってダラダラネットを見ているだけなら、その時間がわずかでもカネになったらいいんじゃね?」というものだ。

 

もちろんスキルも知識も何もないおばさんにできる案件は低単価のものばかりだ。アンケート解答、サイトを見て誤字探し、レビュー・口コミ記入、簡単な文章作成。いわゆる「タスク」というやつだ。

 

簡単な文章作成やレビューでも、あることないこと適当には書けないからアプリをダウンロードしたり、公式サイトで調べたり結構時間がかかる。

 

作業には制限時間があるため、ぶつ切りで進めることは難しい。「スキマ時間で」とはクラウドソーシングサイトでよく見るフレーズだが、スキマ時間だけで作業していると制限時間はあっという間に過ぎてしまう。

 

一円にもならない時間がちょっとでもカネになったらいいんじゃね?と思って始めたクラウドソーシングを時給換算するほど虚しいことはないが、時給は多分20円くらいだったと思う。

 

 

ある日、検索エンジンの過去検索からの検索候補の様子が様変わりしていることに自分は気がついた。

 

入力「ふ」

過去検索からの検索候補

「不倫 芸能人」

「冬ドラマ 見所」

 

入力「すき」

過去検索からの検索候補

「すきま風 トラブル」

 

入力「てん」

過去検索からの検索候補

「転職サイト ○○(職種) おすすめ」

 

入力「じ」

過去検索からの検索候補

「地元 おすすめ グルメ」

 

入力「せん」

過去検索からの検索候補

「専門学校 おすすめ」

 

入力「かそ」

過去検索からの検索候補

「仮想通貨 初心者」

 

 

なんということでしょう。

 

 

自分は鳥葬、地獄、ロックバンド、秘密結社、些末な日本語表現等にとらわれた人間から、コスメ、ファッション、エステ、グルメ、恋愛、ジム選びにこだわりを持ち、薄毛、痩身、会社での人間関係、住まいのトラブルに悩み、冬ドラマと芸能人の不倫が気になり、仮想通貨、保険、予備校・専門学校、転職に関心のある人間に生まれ変わったのだ。

 

 

というわけでクラウドソーシングはお休みしました。 ほぼ金にならないなら好きなことしてた方がいいよねー、というのが一番の理由だが自分の全く関心のないことを見る、調べる、考える、書くというのは自分にはとても辛かった。

 

 

最近の自分の検索候補は、また未確認生物、地獄・天界の構造、○○に××をかけると△△の味がする、といったワードがあふれている。